泡盛の伝統を守りつつ、新たな事業に着目
琉球王朝時代より石川家は首里三ヶで酒造りを営んでおり、その伝統の製法は代々受け継がれていた。昭和24年、私の父が、首里寒川町に石川酒造所を創業。しかし、泡盛は戦災の影響を受け品質が低下。200近くあった泡盛メーカーも本土復帰の頃には46社まで減少することになる。
私は本土の大学で酒造りを学び、昭和36年に沖縄に戻った。「どうすれば泡盛を復興できるか」が当時の私のテーマであった。他社が設備の大型化や機械化を急ぐ中、私はあくまでも伝統的なカメ仕込み製法にこだわった。カメ仕込み製法は手間ひまがかかり大量生産ができない。しかし、伝統的な製法を維持することに意義があると私は考えた。
弊社の泡盛が認められ、各社の泡盛の生産量も伸びていく中、廃液(かしじぇー)の処理が問題になった。しかし私はこの廃液に関して特別に注目していた。先代からこういう話を聞かされていたのだ。「豚にかしじぇー(酒かす)を与えると食欲が増し豚の肉質が良くなる。その上流行病にもかかりにくい体質になる」
私達の業界では、かしじぇーに黒麹菌が生成するクエン酸があり、それは栄養豊富だということが知られていた。そこでこの廃液を有効利用し、なんとか製品化できないものか?私は酒造りの伝統を守りつつ新たな事業へのチャレンジをはじめた。
もろみ酸の製品化を秤、市場拡大に取り組む。
泡盛作りの最大の特徴は黒麹菌を使用することである。黒麹菌は、主に柑橘類に含まれる有機酸である「クエン酸」を生成する。私はこのクエン酸を含む有機酸溶液のことをもろみ酸と命名し、清涼飲料水や調味料としての製品化にとりくんだ。
昭和48年頃から、弊社は泡盛の他に、もろみ酸商品の展示即売を行うようになった。私は、もろみ酸は必ずや市場拡大が見込める商品だと確信し、機器の設備投資を行い、工場も首里から現在の西原町へ移転させた。平成6年頃になると健康酢商品などの話題に伴い、クエン酸の効能が注目されるようになった。さらに本格的な健康食品ブームが到来、クエン酸成分のもろみ酸商品は、高い評価を受けた。そしてもろみ酸商品の市場は急速に拡大していったのである。
健康飲料、調味料としてのクエン酸の優れた効能
もろみ酸(もろみ酢)はクエン酸を主成分に、必須アミノ酸を含む全てのアミノ酸や各種ビタミンが豊富に含まれているが特にクエン酸については様々な効能が知られている。クエン酸の効能のひとつには、疲労物質である乳酸の生成を抑え、体をアルカリ体質にし、体内を活性化するという働きがある。これは生活習慣病の予防などに役立ち、かつ結石の予防、肩こりや腰痛にも良い影響を与えると言われている。
次に体内エネルギーを効率よく燃焼させることが知られている。これは脂肪やたんぱく質などのエネルギー代謝を活性化させるために余分な脂肪が体に蓄積しにくくなり、無理なくダイエットができるというものである。その上、活力の源となるエネルギー(ATF)の生産をスムーズにするため、病気に対する抵抗力がつくことになる。
さらにクエン酸には殺菌作用があるため、腸内の有毒菌を排し、腸内の環境を正常化する役目も担っている。
もろみ酢は以上のことから、毎日の食生活を基本にした健康維持、体質改善、ダイエット法などとして多くの人々の関心を集めているのである。

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